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さいたマップで郷土愛アップ! ゆるキャラと県内を旅 ボードゲーム誕生:東京新聞 TOKYO Web

「みんなのさいたマップ」を考案したヴェルフェル代表の吉田タケルさん=いずれも、さいたま市中央区のブックデポ書楽で

「みんなのさいたマップ」を考案したヴェルフェル代表の吉田タケルさん=いずれも、さいたま市中央区のブックデポ書楽で

 実業家・渋沢栄一の生地としてNHK大河ドラマの舞台となり、大ヒット映画「翔(と)んで埼玉」の第二弾製作も決定と、近ごろ話題の埼玉県。今年は県誕生百五十年の節目でもあり、この波に乗らねばと「埼玉推し」を前面に出したボードゲームが発売された。便乗商品かと思いきや、作者には深い地元愛と秘めた思いがあるようで−。

 「これ最近盗まれてニュースになったね」「なったなった。でも名前なんてあるの?」。さいたま市中央区の書店「書楽(しょらく)」の一角にあるゲームカフェ「クエスチョン」。ゲームサークル「ヴェルフェル」代表の吉田タケルさん(40)が考案した「みんなのさいたマップ」で遊ぶメンバーが、札に書かれた「何県の観光名所? 埼玉県、群馬県、栃木県の県境」というクイズに頭をひねる。ギャラリーからヒントが飛ぶが、答えは分からずじまい。札をめくり、「三県境」というそのままの呼び名と写真に「なんだー」と笑いがあふれた。最近、三県境のプレートが盗まれたばかりだ。

札は東西に長い埼玉県の形に並べる。映画「翔んで埼玉」で有名になった「埼玉ポーズ」で盛り上がるヴェルフェルのメンバー

札は東西に長い埼玉県の形に並べる。映画「翔んで埼玉」で有名になった「埼玉ポーズ」で盛り上がるヴェルフェルのメンバー

 「さいたマップ」は埼玉県内全六十三自治体のキャラクターや名所・名物が描かれた札を県の形に並べ、クイズに答えながら駒を動かして県内を旅するゲーム。「埼玉度初級者から上級者」まで、遊ぶうちに埼玉の魅力を発見できるのが特徴だ。

 吉田さんは旧大宮市(現さいたま市)で生まれ育ち、川口市の造園会社で働く生粋の埼玉人。二〇一五年にサークルを立ち上げ、初めて作ったボードゲームも埼玉をネタにした。自分を含めたメンバーにとって身近な地域だから選んだだけだったが、次第に「住みやすいところだとみんな思っているのに、郷土愛が薄いのが埼玉県民。こんなにいいところだと知ってもらい、郷土愛を持つ人をつくりたい」との思いが募った。

 それを形にしたのが今回の「さいたマップ」だ。札には「秩父夜祭」や「十万石まんじゅう」など県民の常識とも言える名所・名物・祭事が満載だが、それにとどまらない。前作からの間に吉田さんが仕事で県内各地を訪れ、関連資料を読み込み、埼玉についてさらに詳しくなったためクイズも難問ぞろいに。「県民に知ってほしい水準がもう分からない」と苦笑する。

札には埼玉情報が満載。渋沢栄一も

札には埼玉情報が満載。渋沢栄一も

埼玉県では有名な「十万石まんじゅう」が書かれた札

埼玉県では有名な「十万石まんじゅう」が書かれた札

 細かい部分にもマニアックな県内事情が反映されている。駒は南北方向へは手札一枚で動かせるが、東西は二枚必要なのもその一つ。東京と結ぶ南北の交通網が充実する一方で、東西の移動が比較的不便なのが埼玉あるある。所沢市のメットライフドームへ行くのに、いったん東京・池袋に出た経験がある人ならニヤリとするだろう。

駒の移動に使う手札には、各地のゆるキャラと豆知識が

駒の移動に使う手札には、各地のゆるキャラと豆知識が

 コロナ禍で「おうち時間」が増え、ボードゲームの愛好者は急増中。吉田さんは対面のゲームが結ぶ人と人との交流にデジタルにはない魅力を感じている。内気な子どもがサークルの体験会で夢中になるうち、大人とも対等に話せるようになるのを何度も見てきた。いずれはNPO法人を立ち上げ、子どもの教育にボードゲームを役立てたいという夢があり、「さいたマップ」はうってつけだ。

 よく見ると、外箱には所要時間や対象年齢と並んで「埼玉愛」と書かれたアイコンが。県民でなくても「やっているうちに埼玉愛が生まれますよ」と吉田さん。「みんなのさいたマップ」はヴェルフェルのホームページ、書楽などで販売。三千円(税抜き)。

箱には対象年齢やプレー人数とともに「埼玉愛」のアイコンも

箱には対象年齢やプレー人数とともに「埼玉愛」のアイコンも

 文・前田朋子/写真・由木直子

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